採択テーマの詳細 第11回(平成22年度)~第20回(令和2年度)

令和2年度 第20回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
5件
技術開発
0件
調査研究
5件
採択件数
4件
技術開発
0件
調査研究
4件
  1. 亜熱帯島嶼地域に適した3次元点群データの活用と展開

     本申請は、行政が今後行う各種の道路整備事業において、新しいICT技術を有効に活用できる可能性について検証するものである。現在、沖縄21世紀ビジョンとして、県内ではバリアフリー化、無電柱化、自転車道整備、公共交通機関の利用を促す歩道整備、交差点改良等の計画が数多く起案されている。本申請ではモデル地区を選定した上、あらかじめ道路空間の3次元データを取得し、道路管理者が共通で利用できるようなデータとビュワーを、関連部署に実験的に提供、その利用調査を行うものである。

    調査研究 株式会社 三矢コンサルタント

    安佐井 弘義

  2. 伝統的な工法による木造耐力壁の研究

     現在の沖縄県の住宅は大部分がRC構造であるが、ここ数年でRC住宅より木造住宅の割合が急激に増加してきている。それに伴い木造住宅の台風や地震に対する耐力や耐震性が検討されて来ています。そこで本研究では在来工法と沖縄の伝統工法の木造住宅で用いられている耐力壁の耐力に関する実験的研究を行い、沖縄の伝統的な工法の貫木屋(ヌチジャー)形式などの工法など独自の継手・仕口技術により組み合わせていく特殊な工法を調査し、独自の耐力壁を創作し、より強度のある耐力壁を製作・研究する。

    調査研究 沖縄職業能力開発大学校 住居環境科

    小倉 浩二

  3. ASRに起因したひび割れ進展のモニタリング手法の調査研究

     ASRによるひび割れが生じているコンクリート構造物のひび割れ進展のモニタリングと抑制対策の必要性が高まってきている。ASR構造物の劣化の進行を連続的に把握するには、ひび割れ幅、位置、長さの正確な計測が必要となる。本技術は、クラックスケールを内蔵したひび割れ計測システムKUMONOS(クモノス)の計測技術により構造物形状・代表的なひび割れを計測し、デジタル撮影された構造物の補正画像を重ねあわせ、未抽出のひび割れを画像内に設けたクラックスケールにより計測する技術(シン・クモノス)である。本研究は、ASRによるひび割れ進展のモニタリング調査への可能性を探る。

    調査研究 株式会社 中央建設コンサルタント

    多和田 伸

  4. 塩害とASRの複合劣化環境における遅延膨張性骨材を用いたコンクリートの劣化特性

     沖縄県で使用されているコンクリート骨材は、遅延膨張性のアルカリシリカ反応(以下、ASR)を引き起こす可能性があり、沖縄県は島嶼地域であることから、沿岸部のコンクリート構造物は厳しい塩害環境に曝されている。本研究は、塩害とASRが複合的に作用する劣化環境における遅延膨張性骨材を使用したコンクリートの劣化性状を明らかにするものである。特に、塩害がASRの劣化に対する(または、ASRが塩害劣化に対する)双方の影響に着目し、さらには、混和剤であるフライアッシュの塩害とASRの複合劣化に対する抑制効果についても検証を行う。

    調査研究 国立大学法人琉球大学 工学部工学科

    須田 裕哉

平成31年度 第19回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
4件
技術開発
4件
調査研究
0件
採択件数
3件
技術開発
3件
調査研究
0件
  1. 再生骨材からのゼオライト合成技術の開発

     高経年化したコンクリート建造物の解体によって産業副産物の廃コンクリートが大量に発生しており、そのリサイクル技術の開発が望まれている。本事業では、廃コンクリート塊を砕いた再生骨材の新しいリサイクル技術として、再生骨材からのゼオライト合成技術を開発する。事業内容は、ゼオライト合成技術のアルカリ水熱処理における水酸化ナトリウム水溶液の濃度、加熱温度や粉末の前処理方法を検討し、最適なゼオライト合成条件を解明する。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    神田 康行

  2. 各種非破壊検査によるPC鋼材健全度診断技術の開発

     本研究は、塩害劣化した実橋プレテン桁においてPC鋼材の健全度が診断できるような各種非破壊検査機器を実装し、実用可能は検査制度を持つ非破壊診断技術を開発する。 実施方法は、先ず実橋を用いて、ひび割れ、浮き等を詳細調査した後、各種非破壊検査を適用し、検査範囲の斫り検査結果の比較分析を行うとともに、劣化状況の外観とPC鋼材の腐食、破断状況に関係性を見いだす。

    技術開発 土木学会西部支部沖縄会 技術委員会
    「インフラの劣化予測と残存性能の診断に関する小委員会」

    垣花 寿

  3. モビリティおよびエリアマネジメントに資する交通流動計測に関する技術開発

     センサー技術の進展により各種ビッグデータが容易に取得できるようになってきたが、技術主導型データであり、都市計画・交通計画への適用という観点での検討不十分な場合が多い。本申請では、地域活性化の観点からエリアマネジメントを、渋滞解消・公共交通活性化の観点からモビリティマネジメントをそれぞれ取り上げ、これらに関する施策立案および評価に資する交通流計測および解析技術を開発する.特に、情報通信端末や車載機器から取得できる情報を活用して、自動車の旅行時間推計や経路選択の分析が可能なシステムとする。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    神谷 大介

平成30年度 第18回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
9件
技術開発
6件
調査研究
3件
採択件数
3件
技術開発
2件
調査研究
1件
  1. 画像解析および振動特性からコンクリート構造物の劣化度を推定する技術の開発

     コンクリート構造物の劣化度を推定するための、非破壊試験の要求が高まっている。本技術開発は、コンクリート構造物の表面を撮影したデジタル画像からひび割れを検出する技術を利用して得られたひび割れ情報を用いて、コンクリート材料の劣化度を推定する技術を開発する.また、構造物全体に対して、実験により求めた構造物の振動特性と健全時を想定した数値解析から得られた振動特性を比較する劣化度推定技術を開発する。最終的には両技術を総合的に勘案した構造物の劣化評価手法を確立し、点検精度の向上に資する技術開発を目指す。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    富山 潤

  2. 琉球石灰岩層を支持層とする杭基礎の支持力特性の評価

     琉球石灰岩層と下部の島尻層群からなる地盤に杭基礎を設置する際、石灰岩層の状態にかかわらず杭が石灰岩層を貫き、下部の島尻層を支持層とする先端支持杭の採用が一般的である。 本技術開発は、琉球石灰岩層を杭基礎の支持層として採用するための基礎的検討を行う。岩盤を杭の支持層とする理論的な検討とともに、杭の支持力に関わる岩盤の物性値の影響、杭の形状比を考慮したパラメトリック解析(理論・数値解析)の実施、周面摩擦力推定の実験的検討および模型実験による杭の力学的挙動を検討し、支持層の評価に関わる基礎的データを提示する。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    藍檀 オメル

  3. 沖縄県内産フライアッシュの加熱改質によるコンクリート混和材性能検証

     石炭火力発電所から輩出される石炭灰(フライアッシュ。以下、FA)は、コンクリート混和材として公共工事等での有効活用が進みつつあり、FA需要は今後増加が見込まれる。
     県内では沖縄電力産と電源開発産の2種類のFAが発生しており、沖縄電力産FAは弊社の加熱改質加工によりJISⅡ種FAとして使用可能となるものの、混和材としての性能評価・検証が完了していないため、公共工事等での使用が足踏みしている。本事業では、改質した沖縄電力産FAの混和材性能評価を行い実用性を立証することで、増加するFA需要に対して県内産資材による供給体制を確立し、沖縄の環境問題解決とインフラ長寿命化に寄与することを目的とする。

    調査研究 株式会社 リュウクス

    謝花 一成

平成29年度 第17回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
7件
技術開発
5件
調査研究
1件
採択件数
3件
技術開発
2件
調査研究
1件
  1. 腐食劣化した高力ボルトの維持補修技術の開発

     本研究では、鋼橋部位の中でも腐食損傷が著しい部位の一つで、補修塗装を施したとしても、腐食損傷が早期に再発する事例が数多く報告されている高力ボルトを対象に、効果的かつ効率的な維持補修技術の開発を目的とする。研究の実施に際しては,犠牲防食作用により高い防食性能を有する金属亜鉛皮膜を成膜可能な低圧低温型溶射(Cold Spray 工法)に着目し、腐食高力ボルトに対する防食皮膜の成膜特性を検討する。さらに現場適用を視野に入れ、高力ボルト部の膜厚検査手法やColdSpray 工法の効率化についても検討する。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    下里 哲弘

  2. 磁性体近傍の磁気探査における解析手法の開発

     磁気探査による安全の確認は県下の建築土木工事には不可欠である。市街地や河川での工事においては、磁気探査の対象区域付近に鋼矢板や側溝などの強磁性体が存在するなどの悪条件下での正確な探査が求められる。本申請は強磁性体近傍での探査を可能とする解析手法を開発することを目的とする。探査区域近傍にある構造物の漏洩磁界による信号と目的とする異常物による信号を波形プロファイルの最適化フィッティングの手法により分離することで、両者を分離し正確な異常物の探査を可能とするシステムの作製とその有効性の検証を行う。

    技術開発 琉球大学工学部 工学科

    山本 健一

  3. 沖縄観光における課題と支援方策 ~陸上観光交通に着目して~

     沖縄県で観光客数1千万を目標として各種施策を講じており、順調な伸びを示している。一方、観光地周辺での渋滞や陸上交通に対する観光客不満度の増加等が顕在化しており、レンタカーに依存した観光の沖縄では、さらなる問題の深刻化が懸念される。交通および観光関連調査に多くの予算を投入して実施しているが、個別的・断片的であり、有効活用されていない。
     本研究では、既存および現在実施中の観光・交通関連データを交通マネジメントおよび観光振興の視点からフュージョンし、各種施策への有効活用と持続的な調査手法の提案を行う。

    調査研究 琉球大学工学部 工学科

    神谷 大介

平成28年度 第16回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
7件
技術開発
3件
調査研究
1件
採択件数
4件
技術開発
3件
調査研究
1件
  1. 琉球・八重山層群の物理化学的風化メカニズムの解明と数理解析技術の開発

     八重山諸島における琉球層群と八重山層群を対象とし、その物理学科学的風化メカニズムを解明し、実測データの利用や解析を可能とする数理解析技術を開発する。八重山諸島沿岸部では、岩盤の浸食の度合いが大きく、岩盤崩落・落石、更には地震等の衝撃的要因も加わり、大規模崩壊が発生する危険性も孕んでいる。本研究は、これらの自然現象に地盤・岩盤工学の立場から対処するために必要となるデータ解析ツールを提供するものである。本研究の成果は、風化の激しい地域への直接的な適用が可能であり、沖縄島への展開も期待できる。

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    松原 仁

  2. CFRP仕様の高性能プレテンションPC桁に関する技術開発

     本申請では、CFRP(Carbon Fiber Composite Cable)より線仕様高耐久プレテンションPC 桁に関する技術開発を行う。開発に伴う課題として,1)コンクリートとCFRP より線の付着特性の把握、2)プレストレス導入時桁の曲げひび割れ発生機構の解明及び抑制対策の提案、3)CFRP より線仕様プレテンションPC 桁の耐荷力評価、などがある。本技術開発では、これらについて実験と数値解析の両方から課題解決・技術提案を行う。更に、上部工にフライアッシュコンクリートを採用するための基礎研究も行う。

    技術開発 (株)ホープ設計 技術管理部

    金田 一男

  3. 沖縄県における伝統木造住宅の構造性能に関する研究

     本研究は、沖縄県における伝統木造住宅を今後とも長期にわたり保存していくための基礎的な研究である。県内に現存する国指定重要文化財の中から、「津嘉山酒造所」と「銘刈住宅」を研究対象とし、目視及び非破壊検査の手法により、まず初めに建物の劣化度を測定する。次に実際の主要部材内接合部(柱や梁)を複製した実物大の樹種別試験体を作成し、劣化度、材料強度等を考慮した構造解析を行い、その構造性能を把握することを目的とする。

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    カストロホワン ホセ

  4. 沖縄島の人工海浜におけるウミガメの産卵状況調査

     沖縄島にある人工海浜を踏査し、ウミガメの上陸・産卵状況及び卵・子ガメへ影響を与える要素を抽出する。さらに、自然度の高い砂浜と人工海浜の砂質の違いを調べることで、人為的な影響の強い砂がウミガメ卵に与える影響を評価し、卵移植の必要性について検討する。これらの結果を基に、既存の人工海浜にウミガメが産卵した時の対策、および、今後の新たに設置される人工海浜において、人とウミガメが共生できる環境を整備するための資料を作成する。

    調査研究 NPO法人日本ウミガメ協議会 附属黒島研究所

    亀田 和成

平成27年度 第15回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
6件
技術開発
1件
調査研究
5件
採択件数
4件
技術開発
0件
調査研究
4件
  1. 沖縄本島における石積み文化財の地震時の応答に関する計測システムの開発と応用

     沖縄本島に、石積み文化財が数多く存在しており、2010年2月27日の沖縄本島近海地震では勝連城跡など多くの石積み文化財に被害が発生した。今後発生が予想される地震に備えて、これらの文化財の修復・保全を図るため、地震時の応答を把握し地震時の被害の可能性を検討すべきである。この技術開発研究では、沖縄本島にある代表的な石積み遺跡(中城城跡、勝連城跡、具志川城跡)について、研究代表者が開発を進めている多重パラメータ動態観測装置を設置し、強震観測を行い、上記の遺跡の地震時の対応を明らかにすることとする。

    調査研究 琉球大学工学部 環境建設工学科

    藍檀 オメル

  2. 土壌環境からみた道路のり面等のギンネム発芽・生育抑制に関する技術開発

     本技術開発では、塩化アルミニウム6水和物(A1C13・6H2O)を用いた土壌酸性化処理による沖縄産ギンネムの発芽・育成抑制効果および土壌動物・在来植物に対する安全性の確認を行い、これらを満足する結果が得られた場合には、建設事業への導入を図ることを目的とする。技術開発の内容は以下の4点により構成する。①ギンネム分布地における土壌条件の把握、②土壌の酸性化処理による沖縄産ギンネムの発芽、生育抑制に対する効果検証、③土壌の酸性化処理による在来植物に対する影響把握、④土壌の酸性化処理による土壌動物に対する影響把握。

    調査研究 株式会社 南西環境研究所

    田中 順一

  3. 島嶼観光地域における津波災害リスクマネジメント

     本研究では津波災害に対して最も脆弱であると考えられる島嶼観光地域を対象とし、リスクアセスメントおよびミチゲーションのためのエクスポージャ(暴露)、コーピング(対応力)、バルナラビリティ(脆弱性)の評価を行う。特に地理的不案内であり災害弱者である観光客の人的被害軽減を主たる目的とし、現状の対策に関する課題の明確化、地域の潜在的防災力の活用、観光関係ソーシャルキャピタルおよびソーシャルアントプレナーシップによる持続的・自律的減災戦略の構築を目指す。

    調査研究 琉球大学工学部 環境建設工学科

    神谷 大介

  4. 在来植物を用いた道路沿いでの雑草対策

     沖縄県内の道路では、いたる所に雑草が繁茂しており、これを駆除しての景観の改善が求められている。この対策として雑草を草丈の低い在来植物で置き換える研究と実践を進めているが、これによって、交通事故と管理経費の軽減にも貢献でき、自然環境の保全にも役立つと考えている。具体的には、縁石沿いの溝にはコウライシバを、植栽桝と法面にはクロイワサザを用いている。両種とも海岸で自然植生を形成し、干ばつに極めて強い。これまでの予備研究で良い結果を得ており、効果的な増殖法と移植法を見出す調査研究を展開する。

    調査研究 琉球大学 熱帯生物圏研究センター

    高相 徳志郎

平成26年度 第14回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
9件
技術開発
7件
調査研究
2件
採択件数
3件
技術開発
3件
調査研究
0件
  1. 塩害損傷を受けたRC桁の残存性能評価手法の開発

     沖縄県は島嶼亜熱帯環境にあり、塩害により劣化している橋梁が多く、その一部が架替計画されている。本研究は、架替計画された沖縄県那覇市の潮渡川に架かる若松橋を対象とした。本橋は昭和31年1月に建設され、西海岸線より約300m離れた厳しい塩害環境
    で、竣工後約56年間供用されたものである。本研究の目的は、既設橋梁から切り出した塩害で劣化した主桁の残存耐荷力の評価手法を開発することである。

    技術開発 土木学会西部支部 沖縄会橋梁長寿命化小委員会

    淵脇 秀晃

  2. プレテンションPC桁の付着性能とせん断体力に関する研究

     本研究では,全素線塗装型PC鋼より線仕様(以下,E仕様と記す)の試験桁を製作し,せん断試験を行い耐荷性能の確認を行っている。この試験結果を既報の普通鋼材仕様の試験桁NNおよび塗装鋼材仕様の試験桁ENの試験結果と比較し,その耐荷性能の確認を行い,また,普通鋼材仕様の試験桁の耐荷力との相違点を明らかにする。

    技術開発 株式会社 技建

    宮野 伸介

  3. 沖縄県独自のアルカリ骨材反応抑制対・劣化診断に関する技術開発

     本技術開発では,沖縄県独自のASR抑制対策および診断技術の体系化を目的としている.具体的には以下の4テーマに取り組み,最終的にはASR抑制対策マニュアル,ASR劣化診断マニュアルを作成すること目指すものである.
    ①沖縄県のASRの現状把握および整理
    ②JISのASR試験(化学法,モルタルバー法)に代わるASR判定試験の確立
    ③フライアッシュの使用マニュアルの整備に向けた取り組み
    ④ASRの抑制対策および劣化診断の方法の体系化と診断技術の高度化の検討

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    富山 潤

平成24年度 第13回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
2件
技術開発
1件
調査研究
1件
採択件数
1件
技術開発
1件
調査研究
0件
  1. 腐食劣化した高力ボルトの残存軸力推定技術の開発

     本研究では、鋼橋の腐食部位の中でも腐食劣化速度が著しく速く、腐食劣化状況によっては橋の安全性が損なわれる危険性の高い摩擦接合継手の高力ボルトを対象とし、腐食高力ボルトの残存軸力の推定技術の開発を目的とする。研究実施に際しては、腐食劣化による高力ボルトの軸力低下メカニズムを解析的に解明する。また、腐食で崩落した鋼桁橋の摩擦接合継手部の高力ボルトの形状を計測し、実験的及び解析的検討を行うことで高力ボルトの腐食減肉量を残存軸力との関係を明らかにし、腐食劣化した高力ボルトの残存軸力評価法の提案を目指す。

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    田井 政行

平成23年度 第12回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
6件
技術開発
4件
調査研究
2件
採択件数
3件
技術開発
2件
調査研究
1件
  1. 沖縄県に適した高耐久性プレテンションPC桁製作に関する技術開発

     本技術開発は、循環型社会の構築に向けて資源の有効利用の関心が高まっているフライアッシュを、高強度コンクリートへ活用することを最初の目的としている。また、ここで開発されるフライアッシュコンクリートとエポキシ樹脂塗装PC鋼材を用いて高耐久性プレテンションPC桁を開発することを目的としている。
     本提案のプレテンションPC桁は、CO2削減など地球環境保全の観点からのメリットを備え、また、沖縄の厳しい塩害地域における高耐久性・長寿命化を図ることが可能で、ライフサイクルコストの観点からも合理的な構造形式である。

    技術開発 株式会社 技建

    宮野 伸介

  2. 沖縄県のコンクリート用細骨材の安全性に関する技術開発

     近年、沖縄県におけるコンクリート構造物の耐久性に関する重要な課題として、
    ①遅延膨張性を示す海砂に起因したアルカリ骨材反応(ASR)
    ②鉄分を含有し、離島で細骨材として使われはじめているフィリピン砂の腐食膨張に伴うひび割れの可能性への対策
    が挙げられる。
     本研究では、両骨材を安全に使用するための技術開発を目的とし、海砂の示す遅延膨張性ASRの膨張機構の解明及び県産フライアッシュのASR抑制効果を検証する。また、フィリピン砂の岩種機構成や膨張性について分析・検証し、膨張性が認められた場合はひび割れ抑制対策を検討する。

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    富山 潤

  3. 亜熱帯地域における環境共生型開発の課題と展望
    -土地利用規制の有効性・限界と環境に配慮した沖縄らしい制度の提案に向けて-

     地球温暖化が叫ばれ、基地跡地等のこれからの開発において環境配慮は欠かせないことだが、亜熱帯に属する沖縄県では独自の配慮と方針が必要となる。
     例えば、緑化比率が高いほど微気象緩和に貢献することは周知の事実ではあるが、沖縄の場合、植物の生育の早さによる管理コストが常に課題となる。
     さらに、緑化樹は適度な管理がされずに密生すると、街区内空気を滞留させ、むしろ街区内気温を上昇させる事が報告されている。そこで、県内の環境共生住型の開発を対象に計測及びアンケート等から現状と課題を調査することを目的とする。

    調査研究 琉球大学工学部 環境建設工学科

    小野 尋子

平成22年度 第11回技術開発支援事業 採択テーマ

応募総数
3件
技術開発
2件
調査研究
1件
採択件数
2件
技術開発
2件
調査研究
0件
  1. 物理的外乱(光・流体力)が亜熱帯生物の生息基盤への定着に及ぼす影響

     護岸等に用いられているセメント材料は、亜熱帯海洋生物にとって必ずしも良い材料とはいえない。そこで、申請者は非セメント系材料を利用し、亜熱帯性海洋生物に適した建設材料の開発に取り組んでいる。しかしながら、彼らの定着・成長は光量や生息域の流体の速度に大きく依存しており、物理学的・工学的観点のみの研究では彼らにとっての最適な材料の開発は困難であることが経験的に理解された。そこで、本研究では、幾つかの亜熱帯生物に着目し、生息基盤の違いによる定着特性と光及び流体力との関係を物理学、工学、生物学の観点から明らかにすることを目的とする。

    技術開発 琉球大学工学部 環境建設工学科

    松原 仁

  2. ケナガネズミに着目した生物多様性対応型エコロードへの提言

     ケナガネズミはこれまで数年に1度目撃される程度であったが、徐々に目撃例が増え、今年は9月末日で13件の交通事故の発生を見た。さらにヤンバルクイナでは過去最悪の30件にのぼっている。生物多様性の重要性が注目される中、世界でも有数の多様な生物と120万人が暮らす奇跡の島である沖縄において、いち早くヒトと野生動物が共存しゆたかな生物多様性を維持する地域づくりに着手しなければならない。やんばるの生活の基盤となっている道路を生物多様性エコロードとして生まれ変わらせることが最大の一歩であることを確信している。

    技術開発 NPO法人 どうぶつたちの病院

    長嶺 隆

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